『AXESS』第27話「決戦! ネビュラ基地」

放送日:2004年4月10日
 脚本:荒木憲一
 絵コンテ:どじゃがげん
 演出:日下直義
 作画監督:池上太郎

アネッタが連れ去られ、手掛かりを探すためにDr.リーガルの宿泊先のホテルを調べる熱斗と炎山。
リーガルのPCから彼が所有する石油タンカーの情報を得た2人は、そこにアネッタがいると睨んで殴り込むことにします。
「お前の力が必要だ」「一緒に来てくれ」の言葉が炎山から出るの、感慨深いものがありますね……。

IPCのヘリで殴り込んだタンカーには、シェードマンが展開したディメンショナルエリア内にこれまたシェードマンが送り込んだウイルスがうようよと。
ゆりこに案内されてリーガルの許に辿り着いた熱斗達。
リーガルはアネッタを人質に取りながら、自身とダークロイドにまつわる真相を語ります。

電脳世界の奥深くで自然発生したデータ生命体であるシェードマンらダークロイドの野望は、人間に代わって現実世界を支配すること。
リーガルはダークチップの副作用を織り込んだうえでダークロイドの支配を目的としており、更に実体化によってダークチップの副作用の進行が早まっていたこと。
現実世界側に拠点を持たないシェードマンがディメンショナルコンバーターを開発できたのは、放置されていたWWWのアジトのDr.ワイリーを利用していたため。

『AXESS』ではこの後も直接的な出番はないのですが、それでもずっと悪の科学者としての格が高いんですよねワイリー……。

シェードマンまでもが現れますが、リーガルはダークロイドを「データ生命体に過ぎない存在」としてどこまでも見下しています。
当然シェードマンの狙いはリーガルの命ですが、リーガルの近くにいるアネッタにも危険が及ぶため熱斗達はシェードマンに立ち向かいますがダブルプログラムアドバンスでも左腕1本の犠牲だけで攻撃をしのいで見せたシェードマン。この「力を合わせたくらいではどうしようもないくらいの強さ」がこの後効いてきます。

熱斗達を倒したものの彼らには目もくれずリーガルを狙うシェードマンの前に姿を現したのはリーガルではなく謎のナビ・レーザーマン。
レーザーマンはあっさりとディメンショナルコンバーターを破壊し、シェードマンは実体化を維持できなくなりました。
怒りに任せたシェードマンはタンカーのシステムを暴走させ、タンカーに取り残される熱斗・炎山・アネッタ。
シェードマンに普通のダークチップは通用しない、ダークチップを使った一時的な超強化でもしなければ勝てない……そんな悲壮な覚悟と共に、ダークチップを使って欲しいと熱斗に願うロックマン。
熱斗はダークチップをスロットインしようとしますが、その手からダークチップを奪ったのは炎山でした。
ダークチップによって大幅に強化されたブルースはシェードマンを圧倒するものの自身を蝕み始めるダークソウルに苦しみ、最後の力を振り絞るようにロックマンにソウルユニゾン・ブルースソウルを託します。ブルースソウルの強さによってシェードマンを退けることには成功しましたが、ブルースもまたダークソウルに包まれどこかに消えてしまいます。

満身創痍で自身のアジトに戻ったシェードマンですが、そこにいたのはレーザーマン。
更に自身の手下であった筈のダークロイド達にも見捨てられ、更にダークソウルに染まったブルースによって電脳世界の深くへ落とされていきました。

勢力図が大きく変わり、更にブルースがダークロイド側に行ったことで『AXESS』において非常に大きな転換点となった今回。シリーズ屈指のシリアスな回でした。
本当に上手いね……「たっぷり話数を使って上げてから、落とす」のが……。
25話で熱斗と炎山のコンビネーションが完成したのを見せてくれてからの、この26・27話です。
「ロックマンかブルースにダークチップを使わせる」というネビュラの策略が意図した形とは異なるとは言え結果的に成功した形になっています。

炎山とブルースの話は『AXESS』の太い軸でもあるのでこの時の炎山の心境についての考察等は別途記事を使って解説したいのですが、ここで炎山が「自分のナビよりも人命を優先してダークチップを使用した」ことは『エグゼ』の世界観を考える上で結構重要なのかなと。
ネットナビは確かに人間の友ですが、その本質はあくまで人間の生活を支える存在であり、ツール。
人命の方が優先順位はどうしても高いですし、まして炎山にとって熱斗もアネッタも失いたくない存在です。それこそ自分以上に。
勿論この時の炎山の行動はそれだけではなく、熱斗にダークチップを使って欲しくなかったというのもあると思います。

友情や精神論ではどうにもならなかった状況の中で、友の命を守るために使わざるを得なかったダークチップを友の代わりに使うという選択。
この選択は、長く炎山を苦しめることになります。

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