放送日:2004年7月10日
脚本:関島眞頼
絵コンテ:筑紫大介
演出:筑紫大介
作画監督:高橋晃
犬は無事です(ネタバレ)
シャーロのレアメタル鉱山がコールドマンによって巨大なディメンショナルエリアに覆われる事件が発生。
デパ地下の試食を謳歌していた熱斗はネット警察に連行され、真辺と共にシャーロに飛びました。
シャーロで熱斗達を出迎えたのは、シャーロ国のネット警察隊、そしてネット警察長官のマレンコフとライカでした。
本当に警察かこの人達……?(原作ゲームをやっているとどうしても生じる疑問)
マレンコフ長官はアニメオリジナルキャラですが、中田譲治さんの声も相まって貫禄と同時にどこか温かみのあるおじさんです。
熱斗はライカと共にディメンショナルエリアに向かいますが、ここでなんとライカが命令を破り熱斗と共にディメンショナルエリアに突入。やっぱり実態はブレーキ壊れた暴走列車なんじゃないかなこの人。
ディメンショナルエリア内部だからと言って熱斗が常時クロスフュージョンしているわけにもいかず、ロックマンやサーチマンが電脳空間内部で鉱山の車両や電子機器を操作・監視することで熱斗とライカの行動をアシストしているのがなかなか面白いです。
ライカの目的は、鉱山内部に取り残された犬の「モロゾフ」を助けること。
レアメタル鉱山を発見したモロゾフはまさしくシャーロ国の英雄であると同時に、ライカの友達です。しかしニホンから派遣されてくる熱斗に余計な負担を掛けられないからと、モロゾフの救出を諦める決定を議会は下していました。
シャーロ国の名誉と誇りを守るために命令違反をしてまでモロゾフを救出しようとライカは考えていたのです。
熱斗なら自分から頼めばきっとモロゾフを助けてくれるだろう、とライカ自身が語っている辺り、この時点でライカなりに熱斗の人間性を信頼していたことが分かります。
モロゾフとライカが再会したところで実体化したフリーズマンと戦う熱斗はあと一歩のところでコールドマンを逃がしますが、電脳空間でコールドマンを追い続けていたサーチマンが待ち構え撃ち抜いたことでコールドマンは撤退。
レアメタル鉱山は無事解放され、モロゾフも救出されるのでした。
命令違反をしたライカにマレンコフ長官から下された罰は「1ヶ月の間夕飯のデザート抜き」。
マレンコフがライカを「育ち盛り」「手の掛かる甥っ子」と評している辺り、ライカはライカ自身が思う以上に子供であることが窺えてなんとも微笑ましいです。
そしてアニメ版のライカに「食」にまつわる小ネタ描写が多いのは恐らくこの回が発端です。
いや〜しみじみ良い回です。
ライカという癖のあるキャラクターが殻の内側に持っているもの。それは生まれ育った国に対する思い、そして友達を助けたいという真っ直ぐでありふれた少年性。そして上の命令に従う彼の性分も、シャーロという厳しい自然環境と極貧時代を経た国で生きていく上での彼なりの生存戦略でした。
熱斗がそれを知ったことでライカを理解し、ライカは熱斗に心を許すに至ります。
アニメ版のライカを語る上で避けて通れない、そして熱斗とライカの関係性として『Stream』に繋がる重要回です。
自分が命令違反をしようとしていることについてライカがサーチマンに意見を求めている描写も、この時点での彼らを考える上で重要かなと思います。ライカがサーチマンに対して、自分の命令に黙って従うことではなく、自分の判断が本当に正しいのか一緒に考えることを求めているかのような。主従ではあるけれども対等な存在としてみなすようになっているわけですね。
また、ライカは鉱山で働くモロゾフと仲が良く、更に子供の頃鉱山を遊び場にしていたので内部構造にも詳しいというあたり、彼の両親が鉱山で働いていたのかなという考察も出来ます。
そして本筋に関係あるようなないような話ですが、デパ地下で試食がたくさんできるところになんか時代を感じますね……。
今のデパ地下って試食出来てもお漬物か、運が良ければ店員さんに声かけて貰ってお菓子やチーズの欠片食べれるかどうかじゃないですか?
しかしこの話におけるデパ地下は、ライカが幼い頃はシャーロの極貧時代を過ごしていたことや、更に彼が友達を助けるために一か月間夕食後のデザート抜きとなったことで熱斗がデパ地下での食の贅沢を我慢して苦しむようになるという、デパ地下がフリ・オチとしてきちんと機能しているんですよね。
いや本当にどうやったら思いつくんだこのフリオチ……?


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