『AXESS』第29話「炎山VSブルース」

放送日:2004年4月24日
 脚本:丸川直子
 絵コンテ:加戸誉夫
 演出:孫承希
 作画監督:高橋晃

ダークロイドへの対抗策として新型PETと「バトルチップゲート」の開発に着手するIPCと科学省。
祐一朗のダークロイド解析データを収めたディスクを自宅に忘れて来たので、炎山は光家を訪れます。ここで炎山が「秋原町の方に用がある」と言った時、秘書のお兄さんが「そんな予定あったっけ?」と言わんばかりに宙を見ているのが細かいです。
外出中の熱斗に用がある素振りを見せつつディスクを受け取ったらすぐに帰ろうとしていたものの、はる香のマイペースなもてなしに翻弄される炎山の姿が新鮮です。
熱斗が帰宅したところで、炎山は帰るついでに熱斗を外に連れ出します。すると何かを察したらしいはる香が理由を付けて熱斗からロックマンの入ったPETを「ちょっとだけ」と借り上げ、熱斗と炎山は公園で一対一で向き合うことになりました。

ここの公園のシーン本っっっっっっ当に良いんですけど……文字起こしするとどう頑張っても野暮なので、実際のシーンを見てください。
ともかく熱斗と炎山は口論し、殴り合い、泣いて、ようやく本音でぶつかり合い、別れ際の二人の表情はとても晴れやかなものでした。
ブルースを失った事実に打ちのめされていた炎山は、熱斗の言葉で再起します。
そして皆さんご存じの通り、ここからの炎山はめちゃめちゃ強いです。

さてIPC研究所にディメンショナルエリアを展開して現実世界にグラビティマンが、電脳世界にブルースが出現しました。狙いは新型PETのデータです。
研究所内部に閉じ込められた炎山は、突入してきた熱斗と共に現実世界のグラビティマン・電脳世界のブルースをそれぞれ相手取ることになります。
施設のセキュリティプログラムと自身の培ったネットバトルの技術でブルースを追い詰めて閉じ込めた炎山は、グラビティマンと戦う熱斗を遠隔からサポート。ここからしばらくの炎山の名サポーター、そして現実世界側での熱斗の相棒としての片鱗を見せてくれます。

新型PETのデータを守り抜くことに成功した熱斗と炎山。
炎山は敵となったブルースを真っ直ぐに正面から睨み返します。
炎山が絶対にブルースを見失わない決意と共に覚悟を決める一方、ダークロイドのアジトに戻ったブルースの姿はダークロイドのものへと変貌していました。

私は結構真剣にアニメ版で一番「良い」のはこの回だと思ってます。
起承転結の流れと話を進める上での台詞回しと演出が細やかで本当に良いんですよこの回。
なんと言っても熱斗と炎山の公園のシーン。シリーズ屈指の名シーンだと思います。
1話全体通して作画もめちゃめちゃ良いしな。

ダークチップを使ってからずっと炎山の心情を台詞として語らなかった中でようやく彼が独り言・モノローグとして開示した言葉達が絶対にブルースから逃げない、見失わないという固い決意表明を伴っているのも数話掛けての表現としてぐっと来るものがあります。
26〜29話に掛けての炎山の選択と心境、熱斗やアネッタとの対比についての考察は別途記事を立てて考察予定です。

また、この数話ってどうしても炎山の方に目線が行くのですが、実は熱斗の方も非常に珍しい状態になっています。
迷わない・殻に籠らない・思ったことはすぐに言う・落ち込んでも空元気を発揮する光熱斗という主人公が、自分の代わりにダークチップを使った炎山に対する接し方で長く迷い続けていたのです。
その熱斗がようやくいつもの調子を取り戻し、同時に「友達を慮った上でそれでも真っ直ぐぶつかる」という、一つの成長を見せた回であります。
これはいきなり成長したわけでは決してなく、『AXESS』前半部で様々な人との関わりを経験したからこその成長です。

はる香さんもいいんですよね!
熱斗や炎山の事情についてどこまで知っているのかは不明なものの、何かを知っている(祐一朗から聞いている?)のではないかと思わせつつそれでもずっとにこにこ笑って熱斗達を見守っている彼女。気を使っていたとしても決して子供たちにそうは思わせないのが凄い女性です。

それと余談ですが今回も出て来た炎山の男性秘書(二人組だったり片方だけだったり)、『無印』からシリーズ通してたまに出てきますがほぼ毎回CVが違います。
言う機会を逃していたので今言いました。

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